先日、同じ職場の人から「ケアマネ試験を受けようと思う」と相談されました。正直、とても嬉しかったです。介護に限らず、自分を高めようと動く人は、それだけで応援したくなります。
「介護の仕事は給料が安い」——よく聞く言葉です。でも、上げる方法がないわけではありません。今回は、処遇改善加算という制度の話と、その中で「ちゃんと給料が上がる働き方」について、現役ケアマネの立場でお話しします。
なぜ介護の給料は「上がりにくい」のか
まず、大前提を正直にお伝えします。介護の給料が急には上がりにくいのには、理由があります。
介護報酬の多くは、介護保険料と税金でまかなわれています。つまり、私たちの給料の原資は公費です。一般企業のように「たくさん売って、その分だけ給料を上げる」という仕組みとは違い、価格(介護報酬)を事業所が自由に上げることはできません。
だから「給料が上がらないのは会社が悪い」と単純には言えない面があります。公費が原資である以上、限界があるのは仕方のないことなのです。ただし——その枠組みの中でも、給料を上げる道はちゃんと用意されています。
処遇改善加算とは——介護職の賃上げのための制度
その代表が「介護職員等処遇改善加算」です。これは、介護職員の賃金を上げるために国が用意した加算(上乗せの報酬)で、事業所がこれを取得すると、その分が職員の給料アップに使われる仕組みです。
この制度は年々拡充されています。2024年度には、それまで3つに分かれていた加算(処遇改善・特定処遇改善・ベースアップ等支援)が1つに一本化され、2026年度の改定では対象職種の拡大や上乗せ区分の新設など、さらに手厚くなりました。制度の詳細は厚生労働省のページで確認できます。
ここで大事なのは、働く私たち自身が「この制度を知っておく」ことです。加算をきちんと取得している事業所か、そして取得した加算が職員に正しく配分されているか——同じ介護職でも、ここで年収が変わってきます。
その中で「ちゃんと給料が上がる働き方」とは
制度を踏まえたうえで、自分の給料を上げるためにできる具体的な行動は、大きく3つあります。
① 資格を取る
介護福祉士・ケアマネジャーなどの資格は、資格手当や基本給に直結します。加算の要件や職員配置とも結びつくため、資格は「自分と事業所の両方を守る」武器になります。冒頭の同僚のように、ケアマネ試験に挑戦するのはまさに王道です。
② 役職・キャリアアップを目指す
リーダー、サービス提供責任者、管理者——役職に就くことは、加算の仕組みとも連動して収入アップにつながります。「現場が好きだから」と現場一本も素敵ですが、収入を上げたいなら役割を広げる視点も大切です。
③ 加算をしっかり取得・配分している事業所を選ぶ
転職を考えるなら、求人票で処遇改善加算の区分を確認しましょう。上位区分を取得している事業所ほど、賃上げの原資が大きい傾向があります。
副業より、まず「本業で稼ぐ力」を高める
「収入を増やすなら副業」とよく言われます。でも、副業は時間もやる気も相当に必要です。特に子育て中や介護中の方にとって、そのハードルはとても高い。だとすれば、まず現実的なのは本業の収入を上げることです。
では、どうすれば本業で評価されるのか。シンプルに言えば、「会社に利益をもたらせる人」になることです。介護であれば、利用者さんに付加価値を提供し、その満足が事業所の評判・稼働率につながる。そういう人は、事業所にとって手放したくない存在になります(この「付加価値」の考え方はこれからの介護士に求められることの記事で詳しく書きました)。
そしてもう一つ、意外と見落とされがちなのが「やっていることを、周りに伝わるように表現する」ことです。どれだけ頑張っていても、上司や周囲に伝わらなければ評価にはつながりません。日々の工夫や成果を、報告や記録できちんと”見える化”する。これも立派な、そして大切なスキルです。
上げた給料は「増やす」に回す
努力して給料が上がったら、その一部を自分の将来のために「増やす」ことも考えてみてください。上がった分をそのまま使い切るのではなく、少額でも投資に回せば、稼ぐ力とお金に働いてもらう力の両輪が回り始めます。
具体的な始め方は投資はいくらから?の記事に書きました。「本業で稼ぐ→一部を増やす」——この循環こそ、介護職が経済的な安心を手に入れる現実的な道だと思います。
頑張って働くにも、資格の勉強をするにも、資本は健康な体です。忙しい毎日、私はたんぱく質をプロテインで手軽に補っています。
まとめ
- 介護報酬は公費が原資のため、価格を上げにくい。給料が上がりにくいのには構造的な理由がある。
- その中で賃上げのための「処遇改善加算」がある。制度を知り、正しく配分されているか確認する視点が大切。
- 給料を上げる具体策は、資格を取る・役職に就く・加算の手厚い事業所を選ぶの3つ。
- 副業はハードルが高い。子育て・介護中ならなおさら、まず本業で稼ぐ力を高めるのが現実的。
- 「会社に利益をもたらす人」になり、やっていることを周りに伝わるよう表現する。上げた給料は一部を投資へ。
※処遇改善加算の要件・区分・金額は制度改定や事業所により異なります。最新の情報は厚生労働省の公式情報や勤務先にご確認ください。
自分を高めようとするその一歩を、私は心から応援します。学びも、働き方も、お金も、すべては自分の人生を豊かにするための道具です。あなた自身が、あなたの人生を一番素敵にできる人です。

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