継続するだけで、人より優れている|休んだ後に、また始める方法

お金・投資

本を読む。運動をする。資格の勉強をする。やろうと思うこと自体は、たいてい誰にでもできることです。

難しいのは、それを毎日コツコツ続けることです。私も、勉強を毎日続けられたことは、ほとんどありません。だからこそ、継続は私にとって一番必要な課題だと思っています。

この記事では、なぜ続けることがそれほど価値を持つのか、なぜ続かないのか、そして、休んでしまったときにどうやって再び始めればいいのかを考えます。

小さな積み重ねは、やがて大きな差になる

毎日、ほんの0.1%だけ成長したとします。昨日の自分より、1,000分の1だけできるようになる。ほとんど誤差のような変化です。

ところが、これを毎日積み重ねると、次のようになります。

続けた期間毎日0.1%毎日0.2%
1年約1.44倍約2.07倍
5年約6.2倍約38倍
10年約38倍約1,500倍

成長した自分が、さらに成長する。これが、このシリーズのテーマである「複利」です。毎日の差はわずかでも、続けた年数がたつほど、差は急に大きくなっていきます。

もちろん、これはたとえです。実際の成長は、毎日同じ割合で伸びるわけではありません。伸びない時期が長く続いたあと、あるとき急に伸びることがほとんどです。ですが、多くの人は、その伸びない時期にやめてしまいます。だからこそ、続けるだけで、人より優れた存在になれるのです。

なぜ続かないのか:「今日はいいや」が、2日目を呼ぶ

続かなくなるときは、たいてい同じ流れをたどります。

ある日、「今日は疲れたから、しなくていいや」と休む。すると次の日も、同じような理由が見つかります。「昨日も休んだし、今日もいいか」。そうして、気づけばやらないのが当たり前になっています。

心理学では、ダイエット中の人が一度決まりを破ると、「もうどうにでもなれ」とかえって食べ過ぎてしまう傾向が知られています。一度崩れると、全部が台なしになったように感じて、やめてしまうのです。

続かない原因は、1日休んだことそのものではありません。1日休んだことを、「もう終わりだ」と受け取ってしまうことです。このことは、後半の「休んだ後の戻り方」につながります。

強制力より、「好き」と「小ささ」

一番強いのは、「やらないと気が済まない」状態

続けるために、責任感や締め切りといった強制力を使う方法もあります。前回の記事「すぐやる人と、取りかかれない人の差は『意志の強さ』じゃない」では、締め切りを味方にする方法を書きました。取りかかるときには、強制力は役に立ちます。

ですが、毎日続けるとなると話は別です。強制されて続けることは、苦しさも一緒に続きます。いつか、どこかで切れてしまいます。

一番強いのは、それが好きで、やらないと気が済まないという状態です。心理学では、楽しさや興味など、自分の内側から湧くやる気を「内発的動機づけ」と呼びます。ごほうびや罰による「外発的動機づけ」より、長く続きやすいとされています。仕事も同じで、自分が好きなこと、得意なことのほうが続きます。

ただし、「好き」は最初からあるとは限らない

とはいえ、最初から好きで好きで仕方がない、ということは多くありません。続けているうちに少しずつできるようになり、できるようになるから楽しくなる。好きは、続けた後についてくることもあるのです。

だから、最初はハードルを極限まで下げます。私が考える「0.1%」は、これくらいの小ささです。

  • 勉強なら、1日5分、本を開く
  • 運動なら、運動靴を履く。そして、外に出る

これだけでいいのです。本を開けば、1ページくらいは読みます。外に出れば、少しは歩きます。大事なのは量ではなく、毎日、その行動の入り口に立つことです。

頑張りすぎない:介護の現場から分かること

介護の現場にいると、体を動かさない時間の怖さを感じます。

厚生労働省は、動かない状態が続くことで心身の機能が低下し、動けなくなってしまうことを「生活不活発病」と呼び、予防を呼びかけています。寝たきりの時間や、体を動かさない時間が長く続くと、元の状態に戻るまでには、すごく時間がかかります。止まっている時間は、それだけで後退なのです。

かといって、いきなり頑張りすぎると、今度は筋肉痛になって、かえって体が動かなくなります。そこで嫌になって、やめてしまう人も少なくありません。

国の身体活動のガイドも、「今よりも少しでも多く体を動かす」ことを基本にしています。以前のガイドでは「+10(プラス・テン):今より10分多く体を動かそう」と呼びかけていました。いきなり大きく変えるより、無理なく続けられる量で、止まらずに続ける。それが結局、一番遠くまで行ける方法です。

休んでしまった後に、また始める方法

どれだけ工夫しても、休んでしまう日は必ず来ます。体調を崩す日も、仕事が忙しい日もあります。大切なのは、休まないことではなく、休んだ後に戻ってこられることです。

1.1日休んでも、何も失っていない

新しい習慣が身につくまでの期間を調べた研究があります。行動が自然にできるようになるまでの日数は、平均で約66日、人によって18日から254日と大きな幅がありました。そしてこの研究では、1回休んでも、習慣づくりにはほとんど影響がなかったことが分かっています。

一方で、やったりやらなかったりのばらつきが大きい人は、習慣が身につきませんでした。つまり、1日休むことは問題ではありません。問題は、休みが続いてしまうことです。

2.2日続けて休まない

「今日はいいや」が2日目を呼ぶのなら、ルールは一つで十分です。休むのは1日まで。2日続けては休まない。1日目の休みは許し、2日目だけは、どんなに小さくてもやります。

3.再開の日は、一番小さな行動だけにする

休んだ後に、「遅れを取り戻そう」と多めにやるのは逆効果です。頑張りすぎて筋肉痛になるのと同じで、再開がしんどいものになってしまいます。再開の日は、本を開くだけ、靴を履いて外に出るだけ。入り口に立てたら、その日は合格です。

4.「もし休んだら」を先に決めておく

「もし〇〇になったら、△△する」と、前もって行動を決めておくと、実行しやすくなることが分かっています。休んだ後のことも、元気なうちに決めておきます。

例

もし1日休んだら、次の日は、本を1ページだけ読む。

もし雨で歩けなかったら、家の中で5分だけ足踏みをする。

5.区切りの日を使う

月曜日や月の初め、誕生日などの区切りの日には、新しいことを始めようとする人が増えることが知られています。「フレッシュ・スタート効果」と呼ばれます。長く休んでしまったときは、次の区切りの日を「再開の日」として、カレンダーに書き込んでおきます。

6.休んだ自分を責めない

試験勉強を先延ばしにした学生を調べた研究では、先延ばしをした自分を許せた学生ほど、次の試験では先延ばしが少なくなっていました。責めると、その嫌な気持ちから逃げたくなり、かえって再開が遠のきます。「休んだな。じゃあ、今日やろう」。それくらいの軽さで、戻ってくればいいのです。

まとめ

続けるために

小さな積み重ねは、続けた年数がたつほど大きな差になる。

強制より「好き」。好きは、続けた後についてくることもある。

0.1%は、本を開く、靴を履いて外に出る、くらいの小ささでいい。

頑張りすぎず、止まらずに、無理なく続けられる量で続ける。

休んでも、2日続けては休まない。再開の日は、一番小さな行動だけでいい。

才能がなくても、特別な環境がなくても、続けることはできます。そして、続けられる人は多くありません。だからこそ、継続は、普通の人が持てる一番の武器になります。

次の記事では、ここまでの4本をまとめて、「凡人の戦い方」について考えます。

あなた自身が、あなたの人生を一番素敵にできる人です。

参考資料

コメント

タイトルとURLをコピーしました